レグルスの振り返り

能代宇宙イベントが終わり,とうとう今回の大型モデロケプロジェクトのPMとしての仕事が終わろうとしている。さっそく次の機体の機構案の話し合いにも8期が参加し,ようやく8期もF.T.E.らしさが出てきたというところだろうか.

本題であるプロジェクトのことについて書こうと思う.今回8期が打ち上げた機体は獅子座の一等星の名前からとった『レグルス』という名前で,重量約1500g,全長約830mmとあまり大きくはない機体だったが,その製作は簡単なものではなかった.というのも,このプロジェクトは今期から始まったものであり,ノウハウのない状況からのスタートであったからである.
どの班も手探りの状態からの開始であり,全く何から手をつけていいのかわからない状態であったが,先輩方に質問し道筋を決め,製作までこぎつけることができた.
今回はエンジンの性質上,機構班,機体班,電子班,パラシュート班,ランチャー・点火班に別れての製作となった.パラシュート班とランチャー・点火班は燃焼班から人員を割いてもらう形で班を編成した.
一般的にモデルロケットはエンジンの逆噴射によってパラシュートが放出される,しかしレグルスでは『次に打ち上げるハイブリットロケットにつながるロケットにしよう』ということでパラシュート解放機構を採用することとなった.当初の僕は『機構案はすぐにまとまるだろう』とたかをくくっていたのだが,考えが甘かった,やりたい機構が次から次へと提案され,話し合いでは8期同士で案がぶつかり当初の予定よりも大幅に後ろにずれ込むこととなった.最終的に回転式のドアを搭載したパラシュート解放機構を搭載することとなった.
大きく製作の開始が遅れたことの影響は随所で現れ始めた.製作期間にあまり余裕がなく今回初めて機体製作をする8期の制作ペースではギリギリ終わるかどうか,また,設計が不十分なところもいくつか残ったままであった,
実際に製作していく中で挙がったトラブルもあり,僕の予定していた『余裕のある製作』とは程遠く,常に締め切りの心配をして疲れてしまった.
しかし,情報を交換し合い,製作のコツを掴んでいくことでみんなの製作ペースは速くなり,どうにか締め切りに間に合うように製作を終えることができた.
(班長のみんなには大変な思いをさせてしまい本当に申し訳ない)
塗装もほぼ当初の案通りに進み,白オレンジ黒とF.T.E.の伝統カラーの配色で初めてのロケットにふさわしいビジュアルだったのではないだろうか.

能代本番,パラシュートが開くか非常に心配であった,というのも今までの動作試験では稀にパラシュートが絡まりうまくいかないことがあったからだ.
内心むしろこのまま飛ばさない方がいいのではないかとも思った.
少々トラブルは発生したが点火には成功し,後はパラシュートの開傘を待つのみであった.
最高点に到達してもパラシュートは開かなかった,落下し始めてもパラシュートは開かなかった.
しかし,半分ほど落下した時とうとうパラシュートが開いた.
山田会長の『東北大弾道落下』との無線が入った瞬間であった.
嬉しいと同時にホッとしたのを覚えている.
最終的な結果は完全回収,ロケット内部のカメラも完璧に作動しており,ミッションも全て達成することができた.
結果だけ見れば成功かもしれないが反省するところは色々ある.完璧な設計をすることはできていなかったし,ネジ穴の精度も悪かった,何より作業を8期のメンバーにうまく配分することができていなかった.これらは今回のプロジェクトの反省点として次からのプロジェクトに活かしていきたい.

また,今回のプロジェクトはランチャーの製作をしてくださったもえさん,エンジン関連の処理,点火をしてくださったミッキーさん,アドバイザーとして協力してくださったまりあさんとさとしゅんさん,そして製作を全面的にサポートしてくだった先輩方がいなければ成し遂げることはできませんでした.
本当にありがとうございます.


新入生プロジェクトニキ(レグルスプロジェクト)PM曽我部崇

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