缶サット"Visionary"



こんにちは.缶サットプロジェクト”Visionary” Project Manager(PM)の阿部です.


私たちのプロジェクトは,8期メンバーが中心となって開発する缶サットプロジェクトです.2018年度の能代宇宙イベントへの出場を目指し,開発してきました.

ミッションステートメントは「確実に走行を開始できる自立型ローバーを開発し,団体内の技術確立を目指す」です.FTEでのカンサット開発は今年で3年目を迎えます.団体としての今後の缶サット開発がより円滑・効率的に進められるように,缶サットの要素技術の取得とプロジェクトマネジメント手法を検討・確立したうえで,4年目以降の缶サット開発の指針とすることを意図してミッションを定義しました.
プロジェクト名Visionaryは,この理念に基づいて考えました.


開発で最も大変だったのは,自立誘導のアルゴリズムを考えることとパラシュートを分離する機構の製作です.

私たちの缶サットは惑星探査ローバーを模擬するものなので,自分でセンシングして自力で目的地まで向かう必要があります.私たちはそれを高い精度で実現するにはどうしたら良いか考え,IMUによる誘導と画像処理による誘導を合わせて行う方法を考えました.
パラシュートで降下して,それを切り離してから目的地に移動するというのはとてもチャレンジングです.F.T.E.の過去の機体もパラシュートがタイヤに絡まったり,着地の衝撃で機体が破損したりと,この壁を乗り越えることが出来ていませんでした.

そのため本機体の重大なミッションの一つは,確実に着陸して走行できることでした.限られた時間の中で設計から製作までをやっていくのは大変でした.


能代宇宙イベントの結果は,残念ながら良い結果とはなりませんでした.投下は出来たものの,1回目は着地時の衝撃でモーターシャフトが破損,2回目はキャリアの中で誤ってタイヤが回転してしまいパラシュートが絡まって自由落下してタイヤ破損という結果になりました.
PMとしては大変悔しいです.そもそものミッションが確実に走行を開始することだったので,それすら出来なかったのは非常に心残りです.PMとして情けない思いです.

原因としては,設計・制作の管理の甘さと信頼性の高いシステムを開発するのに十分な試験とフィードバックが出来ていなかったことだと考察しています.特にパラシュート分離のシステムに関しては,設計をするのが遅くなってしまい本番までに十分な試験と改良が出来ませんでした.結局のところ,着実な設計とフィードバックによる開発が出来ていなかったと私は考えます.

現在,Visionaryプロジェクトの反省を活かす次の缶サットプロジェクトの立ち上げに向けた調整が水面下で行われています.有難いことに次のプロジェクトでもPMを拝命する予定なので,この悔しさと反省を駆動力として,鋭意開発していく所存です.


最後に,実験の運営をしてくださった運営チームの皆様,資金面やF.T.E.の運営面で支援してくださった執行部の皆様,有難うございました.


そして,一緒に開発をしてくれたチームメンバーの皆,皆の力が無ければここまで開発できませんでした.有難う.


私たちは,この失敗を活かして開発を進めていきます.










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