皆さんこんにちは.CanSatプロジェクトマネージャ(PM)の阿部です.

 去る8月に行われた能代宇宙イベントCanSat競技の結果とプロジェクトの振り返りについて記したいと思います.「CanSatってなんだ?」って方は,是非私達のホームページの制作/CanSatについてのページを御覧いただけると幸いです.

 私達が1年間取り組んできたプロジェクトは,CanSatの中でもランバックと呼ばれ,上空から投下されて着陸した後に,予め定められた目標地点に向かって自律走行を行うというミッションです.これは惑星に着陸して探査を行うといった惑星探査機を模擬したプロジェクトです.昨年のプロジェクトの反省点を基に,今年は去年の課題を乗り越えてミッションを行える機体の開発を目指してプロジェクトに取り組みました.
 チームメンバーは2年生と3年生の合同チームで,2年生のメンバーが多いチームでした.私はPMとしてチームを牽引しつつ,ソフトウェアを中心に開発を進めていました.

 CanSatの難しいところは沢山ありますが,規定のサイズと重量でミッションを行うことが出来る機体を設計することが最大の困難だと私は考えます.去年は構造系の設計が確り出来ていなかったため,パラシュートで降下して軟着陸したときに機体が損傷してしまい走れなくなるという失敗原因でした.そのため,今回のプロジェクトでは構造系の強化に努めました.出来るだけ軽く,強い構造を用意して,その中にミッション機器を詰め込んでいくのに時間がかかりました.ソフトウェアのプログラミングも,コードを書いては検証の繰り返しと,バグを除去していく作業の連続でした.ハードウェアもミッションを行うための機器を選定して,プロジェクト途中でデバイスを変更するなど,ミッションの実現に向けて取り組みました.

 しかしながら本番では上手くミッションを行うことは出来ませんでした.目的高度50mからキャリアを開放し投下したが,その際,空中でパラシュートと機体が分離してしまい,落下して機体の一部が破損してミッション継続不可能となりました.原因は,機体の高度を決定する温度・気圧センサ値に外れ値が出てしまい,意図しないタイミングで,機体がパラシュート分離の動作を行ってしまったためでした.
 
 私としては大変に悔しい思いで一杯です.昨年の失敗を乗り越えて,ミッションを実現できる機体を開発するためにこの1年間努力をしてきました.結果だけを見ると,上手くミッションを遂行出来たとは言えません.今後,原因を詳しく分析して対策を考える必要があります.一方で,昨年までよりも成長した部分も多くあります.構造系は強化したことによって軟着陸時に耐えられる機体を作れたこと,ソフトウェアも前回よりも正確に目的地の方向を決定して移動できるように改良できたことなどがあります.今回のプロジェクトを受けて良かったことと悪かったことを整理して前向きな開発を進めていって欲しいです.

 最後に,今回のCanSatプロジェクトを進行するにあたり,ご協力を賜りました先生方,協賛企業の皆様に感謝致します.また,CanSat実験の運営をしていただいた先生方・学生の皆様に御礼申し上げます.共に開発に取り組み,切磋琢磨し合った東北大内外の友人達に感謝致します.そして何よりも,開発目標を共有し,共に取り組んだCanSat teamの皆様に深甚なる感謝を表します.




下のリンクからHPのCanSatページが見れます
https://www.fte-tohoku.org/cansat

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